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25ページ目 激励が効いたようだ。 闇路は先程ライト前に運ばれている2番を三振に切って取る。 逆転を許して1点ビハインドとなった六回は、先頭打者のワタルからだ。 左打席に入り、足場を軽く均す。 「さて、頼むぞ…」 俺も打席の準備をしながらワタルを信じて待つ。 初球はカーブから。これは内角に決まる。 続く2球目、直球が内角高めに浮いた。 「っ!」 キィィン!! ワタルはその甘い球を思いきり振り抜く。 打球は右中間を真っ二つに破り二塁打。 「「おっしゃ!ナイバッチー!!」」 ベンチは一気に盛り上がる。 続くあるふぁは手堅く投手への送りバント。 「…チャンスで俺か…」 軽く深呼吸。 さて、犠牲フライでも同点に追い付けるこの場面だが、俺はあまり外野に飛ばすのは得意でない。 すると初球、2球とボール球が続く。 (おっ…?) 1点リードという状況に、相手は少しプレッシャーを感じているのか、投球が安定していない。 だが3球目、4球目はきっちりストライクに。 くそ、振るべきだった。 焦るな、まだ大丈夫。 5球目はチェンジアップが際どく外れる。 フルカウントになる。 次へ トップへ
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15ページ目 大きく伸びをして打席に向かう我らが主砲、日本酒。 「球種はストレート、カーブ、チェンジアップだ。緩急多く使ってくるぞ。」 凡退した俺は日本酒にそう告げ、サインは出さずに彼に任せた。 二度、三度足場をならし、再び軽く伸びをして構える日本酒。 初球、相手投手の右腕から、渾身の直球が投じられ、外枠ギリギリに決められる。 次は恐らく変化球だが、今のところカーブはあまり上手く入ってきていない。 次の球は予想通りのチェンジアップだが、これが少し高めに抜ける。 立ち上がり、多少不安定なところを何とか攻め込みたいと思っていると3球目、快音が響いた。 次へ トップへ
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10ページ目 うーむ、初球にかなりいいコースに放られてしまったぞ。追いこまれたら間違いなく打てない。 それなら、何とかして打てるコースを選んで食らいつきたいところだなー。 2球目、桑名がオーバースローで腕を振るう。 「…!?っと…!」 「ボウッ」 あっぶな、完全に緩急にはめられるところだった。 今のは真ん中から膝元に大きく落ちるスローカーブ。なるほど、これがこの投手の武器か。 ただ荒れるだけならいいが、のべ40km/h近くの球速差のある投球も交えてくるとなると、かなり厄介だ。 大胆に行こう、ストレートに絞る! そして3球目、外角に速球。逆らわず叩く! 「なっ!?」 上手く流せたと思いきや、僅かに球が外に逃げ、バットの先端に引っ掛けてしまった。あっけなくファーストゴロ。 「…シュートかー。」 そう言えば、ワタルもこの球で打ち取られたんだ。 これは…厳しい試合になるな…。 次へ トップへ
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<サイクロプス染谷 プロローグSS> 恐るべき強敵だった。 大逆転人生ゲーム七回戦の相手、噛ませ百獣太。無機物を未知の生命に作り変え支配下に置く魔人。戦闘領域内に1000体以上の獣を放たれた時には万事休すかと思ったが、なんとか獣の群れを超え、殺人光線を打ち込むことが出来た。 「マジで手も足も出ないかと思ったぜ。何度あんたに背を向けて、逃げ出そうかと思ったか。しかし腰を据えて取り組んだ甲斐があったな。胸の空くような逆転劇たぁ正にこの事。不思議な国もこれにて終幕だな」 百獣太は何が起こったのかわからない、という顔で、自らの胸に空いた穴を見下ろしている。その体がゆっくりと後ろに倒れ、地面に鮮やかな赤色が広がった。 「さて、一応俺の信条でな。殺したやつの最後の言葉くらい、胸に刻む事にしてる。どうせあんたは同じ穴の貉。俺と同じようなクズだろうけど、なにか言い残すことがあるなら、一応聞いてやろう。何かある?」 「黙れ……この、化け物が……お前が相手でなきゃ、俺は……ちくしょう……」 「その言葉を聞くの、もう3度目だぜ?本当に、似たような奴しか参加してないんだな、このゲーム。耳にタコができそうだ」 『チャチャラチャーチャーチャーチャッチャラー♪』 その言葉を最後に、百獣太は死んだ。決着を告げるファンファーレが戦場内に響き渡った。 サイクロプスの体が転送され、百獣太の体に仕掛けられた核爆弾により、戦闘領域は跡形もなく消滅した。 ファイトマネーを病院へ入金した後、サイクロプスは妹である染谷真白へ電話をかけた。 真白には、戦いが終わる度に電話をかけている。病状の確認のため、そして、戦う理由を確かめるためだ。 「もしもし、お兄ちゃん……?久しぶりだね……。その、元気にしてる?けほっ!デスゲームで……怪我とか、してない?」 病院の職員とお決まりのやり取りを交わした後、すぐに真白の声が聞こえてきた。 軽い口調とは裏腹に、彼女の声は弱々しい。病状が芳しくない事を、サイクロプスは察した。 「久しぶりって……まだ、前に電話してから二週間も経ってないだろ。ああ、元気だよ。少なくともお前よりかは」 「ほんとに?ちゃんとご飯食べてる?……私のこと、忘れたりしてない?」 「心配しすぎだって。俺とお前は唯一の兄妹なんだ。お前のこと忘れるわけ無いだろ。今だって、目を閉じればお前の姿が瞼の裏に浮かんでくるよ」 サイクロプスが口に出すと、実際に瞼の裏に、真白の姿が浮かび上がった。想像の産物ではない。『換用躯』。サイクロプスが口に出した慣用句の通りに、自らの肉体を変化させる魔人能力。 今、彼の瞼の裏は、はるか遠方にある真白の様子を写しだす、小型プロジェクターと化していた。 そこに写ったのは、見慣れた病室だ。 白衣の男性が二人、ベッドに横たわる真白を見つめている。 横たわる真白の体から覗く手や首は、静脈の青が透けるような白い肌だが、顔だけは上気し、赤くなっている。 けほ、けほと、真白は咳き込み、白衣の男性の片方、少女の主治医が口を開く。 『やはり……経過は良くないな。脈は安定していないしほにゃららほにゃらら。電話も程々にするように』 「……真白。やっぱり病気、良くないのか」 「……けほっ、いや……ちょっとだけ、ね……」 医師の言葉を受け、少女は顔を伏せ沈んだ声でつぶやく。 「この前も少し良くなったと思ったら……血とかブーって出ちゃって……ブーって……でも、電話くらいなら……」 『ブーはちょっとないかな…』 真白の言葉を、隣りにいるもう一人の白衣が遮った。 彼は病弱妹審査員。ブーの言葉を受け、渋い顔で採点ボードに何やら書き込んでいる。 あれっ!?という顔をしたのも束の間、真白は受話器に向かい、まくし立てるように言った。 「あのっ……でもっ、お兄ちゃん……!私……諦めてないから……! お兄ちゃんと一緒に……野球……見に行ったりしたいから……!」 「いや、真白。審査員の事チラチラ見ながら言っても説得力が……」 「だって……私……あの……野球チーム……えっと……その一位の…… はい、あのチームの……一番すごい……けほっ!けほっ!……の……大ファンだもん…… だから……あの…ゴール?したボールとかもらえたら……きっともっと元気になれると思うんだ…… あそこの空いてるスペースあたりに……なんて、ふふっ……ちょっと欲張りかな?……私……」 真白は、有名人からの贈り物コレクション4段目の右にわずかに空いたスペースを指差し、力なく笑う。 「いや、欲張りとかじゃないけど……お前野球よりサッカー派だろ?確かにサッカーボールは前にもらったけど……だからって安易すぎじゃ……ルールもうろ覚えだし……」 「と、とにかく!けほっ!けほっ!……絶対に病気を治して……お兄ちゃんと野球ボール……貰いに行くから……。約束、だよ……?」 「真白……!」 『ううーん!素晴らしい兄弟愛だ!しかもそのお兄ちゃんは妹のためにデスゲーム……!病気を治せても、約束を果たせるかはわからない……んー!しみじみと不幸だなぁ!これは先程の失点を補って余りある高ポイント会話ですよ~!』 満足げに何かを書き込む審査員を眺め、グッと少女の布団を掴む手に力が入る。 「はぁ……よし……いえ……一杯おしゃべりしたら疲れちゃった……すみません先生、横になるのでその前にお薬を……」 か細い腕で医師から薬を受け取ると、真白は枕元にしまっていたスピリタスで薬を飲み流す。 真白を痛みから救ってくれるはずの薬が胃に滑り込んでいくというのに。燃えるように胃が熱い。 「これで…よく眠れそ……うっ!!はっ……はぁっ……!」 数秒後、あろうことか真白の体はますます朱に染まり、目の焦点も定まらず、呼吸は荒くなっていく。 「お、おい真白!?ちょっとお兄ちゃんよく見えなかったんだけど……お前今何で薬飲んだ!?お水じゃなくてスピリ……それお酒……真白!?真白ー!?」 『クッ!!!!!!患者の様態急変!オペの用意だ!!! ここで死んでいいのはデスゲームの参加者だけ!!! 絶体に!!!死なせないからな!!!ホームランボールも楽しみにしているんだぞ!!!』 「お兄ちゃん……私も……一位目指して……頑張るから……!お兄ちゃんも……きっと帰ってきて……!!」 真白の様態の急変に気づいた医師は看護師を連れオペ室へとかけこんでいく。 『あー今の表情いいですねぇ!12位近いですよぉ!ファイトファイトォ!』 医師と看護師に続いて審査員も走り去っていく。瞼の裏の映像も途切れ、後には電話を持って立ち尽くす、サイクロプスだけが残された。 「真白……。お前は優しいな……。お前の知ってるお兄ちゃんは……もう、どこにも居ないのに……」 そう呟いたサイクロプスの姿は、明らかに異彩を放っていた。いや、放ちすぎていた。 まず、電話をかけている場所がおかしかった。地は足についておらず、眼下には小さくなった街が広がっている。背中からは炎が勢いよく吹き上がり、僅かに開けた目からは殺人光線の余光が漏れ出す。 それらの異様な外見全てが、カメレオンのようにぐるぐると変色し……異彩を放ち、迷彩のように周囲の風景と同化していた。 (黙れ……この、化け物が……お前が相手でなきゃ、俺は……ちくしょう……) 脳裏に、百獣太の言葉が蘇る。自分は正しく化け物だ。だからこそ勝たねばならない。 妹のそばに居てやることはできないなら、できるだけ多くの金を……。病を治した後も、自由に生活していけるだけの金を残してやる。それだけが、今の染谷に出来ることだった。 染谷は決意を新たにし、地上の住処へと戻っていった。 --- それから一週間後。染谷真白の妹ランキングが、12位に上がった。 8位のランカー……噛ませ一子の病が完治し、脱落した事が原因だった。高額な手術費用が、匿名の入金により揃ったのだという。 入金と同時に、一子の元には一通の手紙が届けられた。 『「妹を頼む」お前の兄に、そう頼まれた』 一ツ目の押印とともに、それだけが記された手紙だった。 「借金がまた増えちまったな。ま、最後に勝てば帳消しだ。問題ないだろ。……本当に。似たような奴ばっかりだよな。このゲームの参加者は」 知らせを受け、瞼の裏にその様子を浮かべながら、染谷は独り言ちた。 「大丈夫さ。馬鹿な兄貴が居なくたって、お前らは生きていける」 サイクロプスの、最後の戦いが始まろうとしていた。 |参加キャラクター|
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test やり方わかった! http //w.livedoor.jp/cafeurien/ でもこっちの方がSSとか、編集とか直感的にできて楽だった・・・。(まだヘッダしか変えてないけどw)
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投下ログ SS自作スレログ/1スレ目 SS自作スレログ/2スレ目 SS自作スレログ/3スレ目 SS自作スレログ/4スレ目 SS自作スレログ/5スレ目 SS自作スレログ/6スレ目 SS自作スレログ/7スレ目 SS自作スレログ/8スレ目 ※投下ログ内のテキストをむやみに改訂することは、たとえ作者であってもご遠慮ください。 ログ編集をされる方へ wiki編集者詰め所(未編集)
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元スレURL 【SS】カップリングシャッフルフェス 概要 マイナーカップリング短編集 タグ ^短編 ^ほのぼの ^かすかり ^しずりな ^ぽむかな ^ゆうあい ^エマせつ 名前 コメント
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事前SSシステム 事前SSシステム概略 今回のキャンペーンでは、本戦中にリアルタイムで応援SSやイラストを公開することはない。 SSやイラストは本戦開始前に提出する 本戦開始前に提出されたSS、イラストに対して、GKが-3~+3ポイントの点数を付けていき、獲得した点数がチームごとに溜まっていく SS,イラストの提出期限は2/7の昼12時までとする。 溜まったポイントは自軍ユニットの能力発動時に発動率ブーストとして使用できる(1ポイントで+1%)。1回の発動に付き20ポイントまで使用可能。 例:マンチグループのキャラAの発動率は60%である。マンチグループは事前SS・イラストにより45ポイントをプールしている。キャラAの能力発動時に20ポイントを使うことで、キャラAの発動率は80%としてダイスを振ることになる。マンチグループの残りポイントは25ポイントとなり、キャラAの次回発動時は発動率は60%に戻る。 SS・イラスト評価基準 SS・イラスト提出時、特に断りがなければ、メインGKの末那識千尋、ならびにサブGKの白金のどちらかにより採点される。 SS・イラスト提出時に審査員を選択できる。 メインGK末那識千尋はOSRの高いSSには厳しい傾向がある。サブGKの白金はOSRの高いSSにも対応可能。 SSは基本的には短い方が良い。あまり長いと途中で読んでもらえないかもしれない。 普通にやっていればマイナス点が付くことはないが、やる気のないあからさまなポイント稼ぎや、他プレイヤー、他キャラへの悪質な誹謗中傷などはマイナス点が付く可能性がある。 なお、あまりにもSSが多すぎてGKが対処不能になった場合は、その時点でSSの評価を終了する可能性はある(常識的な分量であればまず起こりえないが、京極夏彦の新作みたいになったらアウト) 連作は基本的に不可(長編の分割提出など) ただし、一つ一つにオチがちゃんと付いており、単品として見ても十分なクオリティであれば(要するに分割提出と気付かれなければ)問題ない リレー小説したい場合は、自軍と敵軍が交互に提出する場合においてのみ認める 賞与&依頼 あまりに素晴らしいイラスト&SSには、GKから特別賞与としてプリンが1つ送られることがある。 この時に送られたプリンはそれを書いたプレイヤーのキャラクターではなく、チーム全体の所有となり、「首脳会談からの持ち越しプリン」に加算される。 またGKから「こういうイラストを描いてください」と依頼することがある。 「依頼」は一定の期日を設ける 「依頼」で届いたイラストにはプリンが贈られることがある プリンを獲得できなかったイラストにも通常通り採点によりポイントが与えられる 屁理屈との関係性 今回のシステムでは敵ユニットのSSを書いたり、自軍と敵軍との戦いのイラストを描くなど、自由に書くことができるし、また推奨される。 ダンゲロスの「オール公式設定」の原則に則り、他人のキャラクターの背景や設定などもSS中に自由に設定可能である(ただし、あからさま悪意を持った誹謗中傷などは認めない/おちゃめとの判断は難しいところであるがGKの主観によりポイントマイナスの形で結論する/勝手にキャラ設定が変えられても怒らないように) 例:おちゃめと誹謗中傷の線引き例 アウト「識家の主食はうんこであった」 セーフ「千尋は間違ってうんこを食べた」 ※ただし、SSに必然性や説得力があればこの限りではない。 SSやイラストはGKの『ルンビニー』に影響を与える可能性がある(GKのキャラ認識がSS、イラストで変化する可能性がある) ただし、本戦中にGKがSSやイラストを参照する余裕はないため、あくまで「GKの認識変化におけるレベルでの」影響となる 要するに、勝手に設定とか付け加えてもGKの記憶に残らなければ無効ということ ×「屁理屈をこねますが、このキャラは暑さに強かったはずです。SSの『夏の日の鍋焼きうどん』に書かれていたはずですから、参照してみて下さい」 ⇒「参照なんてしないよ」 ○「屁理屈をこねますが、SSの『夏の日の鍋焼きうどん』などで、このキャラは暑さに強いという設定が出てきたりしたんですが、そこんところ加味してもらえませんかね?」 ⇒「ああ、そういえばあったね、そんなの」 ⇒「そんな設定あったっけな??」
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SS置き場は各個人毎に設ける事にしました。 新規に自分のページを作ってもOKです。 mistaのSS置き場 神凪刹那のSS置き場 な~さの盗撮コレクション べるのSS置き場 ベラトリクスコレクション
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メンバー専用のSS及び画像アップロード専用ページです。 Wiki内の画像等は、必ずこちらにうpしてください。 メンバーでない方は→sssにアップロードを!